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ルッセル・マーカーはなぜピルの元祖と言われているのか

心配している女性

今では避妊薬としてでなく、月経前症候群や生理痛などの症状を緩和させるためにも利用されているピルですが、この薬の登場にはルッセル・マーカーの研究成果が大きく関係してきます。
そのため、ルッセル・マーカーはしばしば「ピルの元祖」と言われています。

ルッセル・マーカーは、ステロイドの研究に長年携わっていた人物として良く知られています。
1930年代に、ルッセル・マーカーはステロイド系サポゲニンの一種であるジオスゲニンからプロゲステロンを多量に合成する方法を開発し、1940年代にはヤムイモに含まれているジオスゲニンから多量のプロゲステロンを生産する方法を考えだしました。
当時、ステロイドホルモンは少量ずつしか合成ができず、価格も非常に高価なものでしたが、ルッセル・マーカーの考えだした方法によって植物から安価かつ大量に合成することができるようになりました。
しかし、ルッセル・マーカーは1940年代の終わり頃に突然すべての研究資料を捨ててしまい、研究者として廃業してしまいます。

ピルはアメリカで1950年代半ばから臨床実験がはじまり、月経異常や子宮内膜症などの治療薬として先に承認された後、1960年にプロゲストーゲンとエストロゲンの配合薬が経口避妊薬として承認されました。
この頃に発売されていたピルは薬に含まれているホルモンの量が多く、重い副作用が伴うものでしたが、1970年代にホルモンの含有量を抑えた低用量ピルが登場すると、徐々に使用者も増えて普及するようになりました。

ルッセル・マーカーは、自身でピルを医薬品として開発し、広めていったわけではありません。
しかし、材料となるステロイドホルモンを安く大量に合成する方法を考え出し、ステロイドホルモンの研究の進展に貢献しました。
彼がピルの元祖と呼ばれているのは、彼の発見なくしてピルの登場はなかったからです。